流木となる前までは全ての樹は森の中で根や枝を張り、葉を太陽に向け生きていた。
樹にとっては枝に付いた厄介な虫を食べてくれる鳥はありがたい。
鳥は樹に巣を作り森を賑やかにしてくれる。
ご褒美に木の実をあげると遠くに種を運んで子孫を増やしてくれる。
鳥は樹のてっぺんに止まり風を見計らって遠くに旅立ち、お土産話をしにまた戻ってきてくれる。
鳥は樹と、とても深い関係にある。
樹は根こそぎ流され他の場所に移動しない限りそこの場所で一生過ごす。
しかし鳥は一か所に留まらず、樹木の間を自由に飛び回り大空を舞う。
鳥は樹と、とても深い関係にありながら行動は全く違う！



樹はキット鳥に場所を提供しながらいずれは鳥に生まれ変わりたいと思っていたに違いない。
樹が、樹としての壽命をまっとうした後、水の中を彷徨いながらあっちこっちにぶつかり、折れたり、削られたりして樹、自身が鳥の形になるように見立てているのではないだろうか。
流木の鳥となって自由に飛翔するために！！！！！
自分が流木を鳥に見立ててるのではない。
ちょっとだけ手伝ってあげているだけだ。
だんだんと生きている樹木と流木の気持ちが分かって来た。